天体望遠鏡 鏡筒の種類
天体望遠鏡には、大きく分けて2種類の鏡筒があります。屈折式と反射式です。
【 屈折式 】
屈折式というのは、筒の端に対物レンズというレンズが装着され、その反対側に
接眼レンズを挿入して観察する筒の種類です。
この場合、色によって波長が違い屈折率も異なるので、
レンズ系の屈折望遠鏡では、どうしても
色収差というのが出てきます。
青みがかった色が付きやすいです。
ですから一般的に天体望遠鏡では、色消しレンズ(アクロマートレンズ)を
採用しています。
更に、高い値段を出すと、更に色消しを強力にしたレンズもあります。
【 反射式 】
反射式には、更に大きく分けて2種類あります。
一般的なニュートン式とカセグレン式です。
●ニュートン式
ニュートン式というのは、対物レンズの代わりに筒の一番奥に主鏡と呼ばれる凹面鏡が設置され
筒の入り口は、レンズがなく開口されています。
ただ、その開口部付近に、斜鏡と呼ばれる副鏡が装着され、
一度、筒の中に入った星の光は、一度、主鏡に当たり、主鏡の凹面鏡で光が斜鏡付近に
集められ、それを斜鏡が横に光を反射し、筒の横から覗き込むという筒の種類です。
このタイプは、レンズを通さないので、屈折式のように、画像周辺に色が付くこともなく
自然の画像で、シャープな画像が得られます。
また、焦点距離の長い望遠鏡や焦点距離の短い望遠鏡など
様々に対応できるので、全ての天体(星雲星団も含む)用として、で幅広く使われています。
※ 但し、このタイプは、筒の横から覗きます。
初心者には、慣れないと難しいかもしれません。
●カセグレン式
カセグレン式は、主鏡に光が集められるまでは、ニュートン式と同じですが
斜鏡が異なります。
斜鏡の光の反射方向は、主鏡に向けられているのです。
そして、主鏡にも中央に穴が開いてあり、その穴へ向けて斜鏡からの反射光が注がれます。
そしてその穴の後方に、接眼レンズを装着して、覗き込む筒のタイプです。
このタイプの特長は、焦点距離が長いものでも、筒の長さを短くできるという
利便性があります。コンパクトにする事で、持ち運びが楽だという事です。
惑星観察をする場合には、焦点距離が長くないといけません。
でないと倍率が上げられません。
では、今度は、天体望遠鏡の倍率についてお話します。
◆ 天体望遠鏡の倍率
倍率の計算式
対物レンズの焦点距離 ÷ 接眼レンズの焦点距離 = 倍率
例:口径6cm、焦点距離1000mm、接眼レンズPL10mmを使用の場合
1000 ÷ 10 = 100 となり100倍です。
但し、倍率は高くすれば良いというものではありません。
有効倍率は、対物レンズ(主鏡)の口径をミリメートルに換算して
その1.5倍〜2倍前後が良いでしょう。
それ以上になると、ぼやーっと暗い画像になります。
ただ、暗くなって、大きくぼやけた画像になってしまうのです。
だから適正倍率が求められるのです。
上記の例題では、6cmの口径ですからミリメートルに換算すると
60mmとなります。
60×2=120となり、この口径6cmでは、120倍くらいまでが
正しい許容範囲と言えるので、上記の例題の100倍は、OKなのです!
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