目的の天体によって選ぶ天体望遠鏡は、違うの?
さて、前のセクションでもお話した通り、目的の天体によって
選ぶ天体望遠鏡は異なります。
何故、違うのでしょうか?
それは、一概に天体望遠鏡と言いましても、いろいろあります。
短い焦点のもあれば、長い焦点のもあります。
屈折式もあれば、反射式もあります。
もし、短い焦点距離で惑星を見た場合、倍率は小さくするしか
方法がありません。
接眼レンズも、焦点距離は、最低でも4mm程度までしか
ありません。それ以下の焦点距離は、ないのです。
倍率は、対物レンズの焦点距離÷接眼レンズの焦点距離で計算します。
だから惑星を見る場合には、許容範囲の有効倍率で
なるべく最大の倍率を使うのが、ベストなのです。
最も、付属品で付いている接眼レンズは
商品によって、全て異なりますし
接眼レンズの種類によって、広角で明るいのもあれば
狭い視野の暗いものもあります。
安いのもあれば、高い値段のもある。
そういう接眼レンズの付属組み合わせによっても
望遠鏡の良し悪し…があるのですが、
これもまた、一般の方では、わからないと思います。
当サイトでは、そういう部分も考慮して
お薦めしていますから、安心して選んで戴けます。
それでは、目的の天体による天体望遠鏡の選び方を解説しましょう。
●目的の天体の違いによる天体望遠鏡
月面観測:
・入門機ならば、屈折経緯台で、口径6cm。
対物レンズの焦点距離は、1000mmクラスがお薦め。
・中級者以上ならば、ニュートン式反射経緯台、又は
ニュートン式反射赤道儀で、口径10cm。
対物レンズの焦点距離は、1000mmクラスがお薦め。
又は、シュミットカセグレンなどのカセグレン反射タイプの
大口径になると、更に細部まで観測できます。
惑星観測:
・入門機ならば、屈折経緯台で、口径6cm。
対物レンズの焦点距離は、1000mmクラスがお薦め。
・中級者以上ならば、ニュートン式反射経緯台、又は
ニュートン式反射赤道儀で、口径10cm以上。
又は、屈折の8cmクラス以上。
対物レンズの焦点距離は、1000mm以上のクラスがお薦め。
又は、シュミットカセグレンなどのカセグレン反射タイプの
大口径になると、更に細部まで観測できます。
星雲星団観測:
・入門機でも、口径8cm以上の屈折望遠鏡の
F値(注)が、8以下か、
ニュートン式反射望遠鏡の経緯台で、
口径10cm以上がしかもなるべく短焦点で、F値(注)が4〜7
が、お薦めです。
・中級者以上ならば、ニュートン式の反射で
口径15cm以上のF値が、7以下か、
又は、反射のドブソニアン(注)タイプの
しかもなるべく短焦点で、F値が4〜6がお薦め。
更に、接眼レンズは、なるべく視野の広いもので、
低倍率で見るようにします。
一部、惑星状星雲(注)や球状星団(注)のような天体は、高倍率で見るものもあります。
注)ドブソニアンとは?
トップページの私の望遠鏡のように、三脚などがない
持ち運びに便利な大口径の望遠鏡で、架台システムは
経緯台になります。
注)F値とは?
対物レンズ(反射場合は主鏡)の焦点距離÷口径(対物レンズの直径:mm)=F値
例:口径10cmで、対物レンズの焦点距離は700mmの場合
700÷100=7で、F値は、7です。
注)惑星状星雲とは?
有名なものとして、こと座のリング星雲M57が、あります。
これは、天文台の大きな望遠鏡で撮影したものです。
実際の見え方は、こんなに良くは、見えません。
注)球状星団とは?
有名なものとしては、ヘルクレス座の球状星団M13があります。
これは、天文台の大きな望遠鏡で撮影したものです。
実際の見え方は、こんなに良くは、見えません。
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