専門家が伝授する天体観測のコツ
ここでは、ちょっとした天体観測のコツを伝授しましょう。
まず、どんな天体望遠鏡でも、小さい倍率からセットします。
そして、目的の天体を視野に入れる場合は、鏡筒(望遠鏡の筒)に付いている
ファインダーと呼ばれる小さな望遠鏡で覗き、目的の天体をファインダーの
十字線の交わり付近に合わせます。
試しに月面観測で、まず、月をファインダーに入れてみて下さい。
すると、天体望遠鏡の本体の筒には、月が入っています。
あとは、ピント調節ですが、接眼レンズ付近の接眼筒マウントの
微調節で、調節してみて下さい。
更に拡大してクレーターの一部を覗いてみましょう。
それは、接眼レンズを交換して、また、ピント調節すれば、できます。
惑星に関しても、同じように低倍率から進めていきます。
ここで、惑星の探し方を伝授しますね!
●夜空での惑星の探し方●
太陽の通り道(黄道:こうどう)の付近に惑星は、点在しています。
その字の通り、惑星は目を惑わすので、そう呼ばれていますが
毎年同じ位置にはありません。
しかし、星座を作っている恒星とは明らかに違う点があります。
それは、惑星は、瞬かないのです!
一般の星座を模っている恒星は、キラキラとチカチカと瞬いています。
これは、地球から遥か遠いところから来る光なので
地球の大気に光が届くと、地球の大気の流れでユラユラと揺らいでしまうのです。
それが、キラキラ瞬く原因です。
しかし、惑星は、それらの恒星よりは、ずーっと近い所にあります。
ですから、あまり瞬かないのです。
もし、惑星かな?と思ったら、それに望遠鏡を
向けて見て下さい。
そこに環が見えたら、土星です。
そんな楽しみ方もあるんですよ。
●その他、星雲星団について
星雲星団は、一般的には、星座がわからないと
無理です。
何故なら、星図と呼ばれるものを見ながら
星を頼りに探すパターンが多いからです。
ただ、アンドロメダ大星雲やオリオン大星雲、
こと座のM57惑星状星雲、ペルセウス座の二重星団、
おうし座の昴…など明るいものもありますから
星雲星団のガイドブックなどの本などを参考にして
徐々に探してみて下さい。
空気の澄んだ田舎などでは、アンドロメダ大星雲などは、
それは、見事な渦巻きを見る事ができます。
大口径ならなお更です!
それを見る事を楽しみにしている方々も
多くいらっしゃいますし、田舎へ行く時は
是非、天体望遠鏡も持参して行きたいですよね!
また、低い倍率で漠然と星野を観測するのも
また1つの楽しみでもあります。
都会でも、「えー、こんなにいっぱい星が
あるんだねー。」なんて、見せた人には
言われます。
低倍率とか双眼鏡なんかで、眺める星空も
また格別です。
●ここで、星雲星団などの暗い天体を天体望遠鏡で楽しむ
楽しみ方をお教えします。●
暗い天体は、全般的に、そうですが
通常の望遠鏡での見方とは異なります。
『中央付近に目的天体を導入したら
やや、視野の淵を見るようにしながら、何となく
視野の中心にある目的天体を気にする…という
見方をして戴きたい!』
目的天体を一所懸命見ようとしても
薄くて暗くて、なかなか思うように
最初は見えないと思います。
そんな時は、視野の外側を見ながら
気持ち、その目的天体を何となく見るように
しますと、形状などがはっきりと見えてきます。
いろんな楽しみ方がありますが、
十人十色、人それぞれの楽しみ方で
星空のロマンを語り、大きな心の持ち主になってもらいたいと
願いながら、最後のセクションを終了いたします。
では、頑張っていろいろ楽しんで下さい。
元プラネタリウム解説員
平森 文雄
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